5‐2‐12 

このエントリーをはてなブックマークに追加

(評価方法の選定単位の細分)

5‐2‐12 法人は、棚卸資産の評価の方法につき、事業所別に、又は令第29条第1項《棚卸資産の評価の方法の選定単位》に定める棚卸資産の区分を更にその種類の異なるごとその他合理的な区分ごとに細分してそれぞれ異なる評価の方法を選定することができる。
(注) 同項に定める棚卸資産の区分又はその種類を同じくする棚卸資産のうちに個別法を選定することができるものがある場合には、これを区分して個別法を選定することができる。

(評価方法の変更申請があった場合の「相当期間」)

5‐2‐13 一旦採用した棚卸資産の評価の方法は特別の事情がない限り継続して適用すべきものであるから、法人が現によっている評価の方法を変更するために令第30条第2項《棚卸資産の評価の方法の変更手続》の規定に基づいてその変更承認申請書を提出した場合において、その現によっている評価の方法を採用してから3年を経過していないときは、その変更が合併や分割に伴うものである等その変更することについて特別な理由があるときを除き、同条第3項の相当期間を経過していないときに該当するものとする。
(注) その変更承認申請書の提出がその現によっている評価の方法を採用してから3年を経過した後になされた場合であっても、その変更することについて合理的な理由がないと認められるときは、その変更を承認しないことができる。

(評価方法の変更に関する届出書の提出)

5‐2‐14 令第30条第6項《棚卸資産の評価の方法の変更手続》に規定する届出書は、公益法人等又は人格のない社団等が収益事業の廃止等の事情により法人税の納税義務を有しなくなった後に、次に掲げる事情により再び法人税の納税義務が生じた場合において、既に選定していた評価方法を変更しようとするときに提出することに留意する。
(1) 公益法人等又は人格のない社団等が収益事業を開始したこと
(2) 公益法人等(収益事業を行っていないものに限る。)が普通法人又は協同組合等に該当することとなったこと
   令第52条第6項《減価償却資産の償却の方法の変更の手続》、令第119条の6第6項《有価証券の1単位当たりの帳簿価額の算出の方法の変更の手続》及び第122条の6第6項《外貨建資産等の期末換算の方法の変更の手続》に規定する届出書についても、同様とする。

(原価差額の調整)

5‐3‐1 法人が各事業年度において製造等をした棚卸資産につき算定した取得価額が、令第32条第1項《棚卸資産の取得価額》に規定する取得価額に満たない場合には、その差額(以下この節において「原価差額」という。)のうち期末棚卸資産に対応する部分の金額は、当該期末棚卸資産の評価額に加算する。

(原価差額の範囲)

5‐3‐2 原価差額には、材料費差額、労務費差額、経費差額等のほか、内部振替差額を含むことに留意する。

(原価差額の調整期間)

5‐3‐2の2 事業年度が1年である法人の原価差額の調整は、継続適用を条件に、各事業年度を当該事業年度開始の日から中間事業年度終了の日までの期間(以下「上期」という。)と中間事業年度終了の日の翌日から確定事業年度(当該中間事業年度を含む事業年度をいう。以下同じ。)終了の日までの期間(以下「下期」という。)とに区分し、それぞれの期間について行うことができる。この場合、5‐3‐3及び5‐3‐4の適用に当たっては、上期及び下期のそれぞれの期間ごとに、その期間に発生した原価差額によりその調整の要否を判定することに留意する。

(原価差額の調整を要しない場合)

5‐3‐3 原価差額が少額(総製造費用のおおむね1%相当額以内の金額)である場合において、法人がその計算を明らかにした明細書を確定申告書に添付したときは、原価差額の調整を行わないことができるものとする。この場合において、総製造費用の計算が困難であるときは、法人の計算による製品受入高合計に仕掛品及び半製品の期末棚卸し高を加算し、仕掛品及び半製品の期首棚卸し高を控除して計算することができる。
(注) 原価差額が少額かどうかについては、事業の種類ごとに判定するものとするが、法人が製品の種類別に原価計算を行っている場合には、継続して製品の種類の異なるごとにその判定を行うことができる。

(原価差額の調整を工場ごとに行っている場合の調整の省略)

5‐3‐4 原価差額が事業の種類ごと又は製品の種類の異なるごとの総製造費用のおおむね1%相当額を超える場合においても、法人が原価差額の調整単位を更に工場ごとに細分しているときは、各工場における当該調整単位ごとの原価差額のうちそれぞれの総製造費用の1%相当額以内のものについては、5‐3‐3に準じて調整を行わないことができるものとする。

(原価差額の簡便調整方法)

5‐3‐5 法人が各事業年度において生じた原価差額を仕掛品、半製品及び製品の順に調整することをしないで、その原価差額を一括し、次に掲げる算式により計算した金額を期末棚卸資産に配賦したときは、これを認める。
(算式)

原価差額×
期末の製品、半製品、仕掛品の合計額
売上原価 期末の製品、半製品、仕掛品の合計額

(注)

1 算式中の分母及び分子の金額は、法人の計算額による。
2 この算式は、事業の種類ごと(法人が原価差額が少額かどうかの判定を製品の種類の異なるごとに行うこととしている場合には、製品の種類の異なるごと)に適用する。
3 法人が直接原価計算制度を採用している場合には、この調整方法の適用はない。ただし、この調整方法を適用することについて、合理性があると認めて所轄税務署長(国税局の調査課所管法人にあっては、所轄国税局長)が承認をした場合には、この限りではない。

(原価差額の簡便調整方法の特例)

5‐3‐5の2 5‐3‐2の2の適用を受けた法人が、下期に繰り越された個々の棚卸資産に原価差額を配賦しないで一括して処理している場合において、下期における原価差額の調整を5‐3‐5の方法により行うときは、同項の算式中「原価差額」とあるのは「下期に生じた原価差額に上期末の棚卸資産に一括配賦した原価差額を加算した金額」と、「売上原価」とあるのは「下期に係る売上原価」と、それぞれ読み替えて適用するものとする。

(内部振替差額の調整)

5‐3‐6 法人が内部振替差額の調整を他の原価差額と区分して、その内部振替差額に適合した合理的な調整方法により行ったときは、これを認める。

(原価差額を一括調整した場合の翌期の処理)

5‐3‐7 法人が原価差額を個々の棚卸資産に配賦しないで一括して処理している場合には、その一括して処理している金額は、翌事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度)の損金の額に算入することができる。

(原材料受入差額の処理の簡便計算方式)

5‐3‐8 法人が原材料の受入れについて見積原価等を採用している場合に生ずる原材料受入差額について、当期原材料払出高と期末原材料棚卸し高とに適正に配賦し、期末原材料棚卸し高に対応する部分の金額を個々の資産に配賦しないで一括して処理しているときは、これを認める。
(注) 当期原材料払出高に対応する原材料受入差額は当期の原価差額に、期末原材料棚卸し高に対応する原材料受入差額は翌期の製造原価に含めることに留意する。

(申告調整できる貸方原価差額)

5‐3‐9 法人が棚卸資産につき算定した取得価額が令第32条第1項《棚卸資産の取得価額》に規定する取得価額を超える場合のその差額のうち、法又は措置法の規定により損金の額に算入されないため確定申告に際して自己否認した金額から成る部分の金額については、当該申告に係る申告書においてその調整を行うことができるものとする。

(棚卸しの手続)

5‐4‐1 棚卸資産については各事業年度終了の時において実地棚卸しをしなければならないのであるが、法人が、その業種、業態及び棚卸資産の性質等に応じ、その実地棚卸しに代えて部分計画棚卸しその他合理的な方法により当該事業年度終了の時における棚卸資産の在高等を算定することとしている場合には、継続適用を条件としてこれを認める。